2011年07月01日

東日本大震災、津波後の、お墓参り「いずれ、誰でも 入るであろう 場所なのだから。」

最初に記しておきます。
長い日記になること、お許しください。

-----------------------------------------------


6月30日

実家仙台の、家族が永眠るお墓に行ってきた。

その場所は 東日本大震災の爪あとが
まだ、なまなましく残っていて

ようやく一般車両が通れるようになったという。


お墓に向かうまでの 見慣れた田園風景は

変わり果てていた。



Photo2883




Photo2875




かろうじて 高速道路が防波堤の役割を担い





Photo2879




その下のトンネルを境に こっちとあっちでは
天国と地獄みたいな差が感じられた



かなり瓦礫は撤去されている様子ではあったものの

やっぱり日常の風景とは程遠く

物凄い風景が広がっていた。





Photo2892





お墓探し。


一般車両が入れるようになる前に、母や妹が訪れた時は

瓦礫がすさまじく、とても自分のお墓を見つけるという状況ではなかったという。


私も、 墓石がまったくない 変わり果てた自分のお墓を



正直、見つけられる気はしていなかった。


ただ、悲しくて泣くかと思っていた私は


お墓の残骸のような荒れ果てた姿を目の当たりにして



不思議と涙は出なかった。




Photo2901






Photo2904






妹が 以前 もっと悲惨な状況の、この土地を見て


言葉が出なかった といっていて


今日は そのときよりも  状況は良くなっているといっても


私も やっぱり 同様に 声が出なかった。


【海から一番近いお墓】だけあって


とにかく色々めちゃくちゃだった。


瓦礫は撤去してあるし、道路もようやくできたというのだけれど



家が。ない。



私が生まれた時分より、同じ家で同じものを食べ、眠り、愛してくれていた
4人の家族が永眠る墓が、まったく どこにあるかわからない。

もちろん 墓石など、方々に転がっていて

どう並んでいたのかさえ、わからないような状態だった。


見つかる、見つからない の前に


神も仏もいないような気分にすらなってくる。





Photo2900






一瞬【気が遠く なった】


その次に よくわからない気分になって

自分の家のお墓があったかもしれない位置まで

歩きだしていた。





Photo2905






他人様のお墓が入り乱れている。


本当なら、なるべく踏みつけたくはない。

そんな想いから、すこしづつ、すこしづつ


時には手をついて、這いながら 瓦礫をふみ

進んでいった。





Photo2907





Photo2906




母は、いつも車を停める場所に立って こっちを見ていた。


色んなお墓が、ありえない状態になっている。





Photo2909






どのお墓をみても、まったくどれがどこにあって、

どんな状態だったか  記憶が曖昧になってくる。





Photo2908





どれくらい 【末永家の墓】の場所を探したかわからないが


見つかるのは、『他の』末永という墓石ばかり。





Photo2902





ここかもしれない・・・  と行ってみては戻り


もっと横か?  と 移動しては

 

どうしてもしっくりこない気持ちばかりが募る。



こんな状態で、 見つけられるほうが よっぽど奇跡だ。




弱気になってもいないが、元々 大自然の驚異の残骸に

自分のちっぽけさなんて初めからわかっていたし


悔しくも悲しくもなかったが



ものすごく  虚しかった。  ただ虚しかった。




ポツリと雨が降ってきた


まだ瓦礫を彷徨う私へ 遠くから母が叫んだ


「雨降ってきたよ!そろそろ行こう?」


抱えた向日葵の花束が風に吹かれている。


本来、お骨を納めるべき墓石の下が からっぽになっているお墓を

たくさんみつめる。



他人様のお墓に、違うところの墓石が突っ込んで

ぐちゃぐちゃになっているお墓も たくさんある。



【記憶】を頼りに歩いた場所に、末永家のお墓らしきものはなかった




このままいても、私には 何もできないな。



戻ろう。



諦めて 車の場所まで また慎重に瓦礫を踏みながら。




そう思いながら 頭の片隅では




「もう私には、この場所で
  お花を供えて、手を合わせることができないのかなぁ」

と思っていて



急激に、物凄い虚無感に襲われた。






戻る途中、ふと 今まで気にもしなかった場所が気にかかった。



説明できない、変な感覚だ。





「もしかしたら!!」


そう思って行ってみたお墓は 


近づくと 私の【記憶】とは違っていた。




Photo2910






何を期待してしまったんだろう。



こんな瓦礫の中で。




これがうちのお墓だったらいいな、なんて



考えてしまったんだろうか。






Photo2911






見つからない。


やっぱり見つからない。


それはすでに【記憶】ではない【感覚】だった。



記憶だけならば このお墓は 違うとおもっている自分がいる。


真夏に井戸水で、この縁を一周しながら 墓石を拭いた。


冬に 雪の中で 寒いねっていいながら 手を合わせた。



たしかに懐かしい感覚 。でも 確信が持てなかった。


縁を歩き、腰をおろし 周りを見回すが 初めて見る光景に






Photo2923





記憶がどんどんわからなくなってくる。




ありえないものがありえない場所にぶつかり、砕け 突っ込んでいるのだ。

何気なく 足元をみた。




その瞬間  確信した。






あった   やっぱり此処だ!  此処がうちの墓だ!






間違いないと思った。


私が確信できたのは



石についていた、苔だった。






Photo2914






独特の苔模様なので、それを見たとき 何か一気に繋がった感じがした。



記憶じゃない。 これは 感覚だ。


よくわからないけど、変な自信がある。確信があった。


遠くにいる母へ 大声で叫んだ


「見つけたよ!!  絶対!! 此処だよ!!!」



母はそれまで


「もうちょっと右」とか「奥」というジェスチャーをしていたけれど

この瞬間



「うん!ママもそう思う! そこだと思う!!」





私に向かって叫んできた。



瓦礫を突き進む私を


道路から ご年配の方々が見ていた




遠くのほうで工事をしていた ヘルメットの方々も見ていた。


普通なら、瓦礫の中を歩くなんて 「危ないよ。危険だ」と

注意されることなのかもしれない。



私は、非常識かもしれない。



でも みんな 必死で瓦礫を進む私を 『見守っている』ように思えた。


危ないよ と云いたい心を抑えて



「わかるよ」と 言いたげだった




すくなくとも、瓦礫の中で 私はそう感じたのだ。この感覚は説明できない。






Photo2924







100パーセントの確信が欲しかった。


座り込み 砂をはらった。





Photo2915





Photo2916






Photo2917





この角度も、感覚も、覚えてる。





ガラスが混ざっていて 指が切れていたことに後で気づいた。


この時は必死だった。






Photo2918





Photo2919





Photo2921





Photo2922







今まで泣かなかったのに 



お花を供えて 手を合わせてるうちに


涙がぼとぼとおちて、鼻水もダラダラと垂れて



「みんなぁ〜  みつけたよ〜  よかったぁよぉ〜」




瓦礫の中で 座り込み、 一人で泣いた。







Photo2926





おじいちゃん、おばあちゃん
お父さん、お母さん

無事でいてくれてありがとう



死人が無事というのもおかしいが、純粋にそう思った。





雨はやんでいた。






お墓で流した涙は 嬉しかったからだ。






これからどうなるかわからないけど


あの津波の中で 全て流されても





お骨だけは無事だった。


天命を全うした後


家族と共に一緒に永眠れる場所が、私にはあるのだ。






それだけで 言葉に出来ない気持ちになった。





立ち上がって周りを見ると、やっぱり悲惨な光景がどこまでも続いていた







Photo2933



花束は、強風で飛ばされてしまい、ゴミになると迷惑かなと思い

家で飾ることにし、置いては来なかった。





ただ、手を 合わせただけだった。




でも今回


私が仙台に戻ってきたことは


無駄じゃなかったと、心から思えた。




砂だらけになって、瓦礫をまたこえて戻るときは


虚無感は不思議と消えているような、感じもした。



なんだそんな
ちっぽけなことと思われるかもしれないが




あの時感じた 不思議な感覚は  今まで味わった事がなかったし

きっと、うまく 話せない。
間違いかもしれない

形や感覚 場所 すべてがおかしな状況の中

心が縋った光景だったのかもしれない。





無力なのは、わかりきっている。でも、やっぱり 全力で生きなければいけない。
どんな形であれど




道路際に、末永家の 花を立てる石があった。





Photo2931





通り過ぎても、なぜかまた戻ってきてしまう。




末永なんて苗字、宮城では珍しくもないし



このお墓にだって、たくさん 末永家の墓 はあったのだから




こんなに都合よくみつかるわけはないけど




この石は、 他の 末永と なんだか受ける印象が違っていた。



うちのだと断言はできない。 だけど 不思議と懐かしい感じがした。




Photo2930




帰り際、車を走らせていると



墓石が並んでいるのが見えた。



Photo2934



撤去しながら、集めてくれたのだ。


車から降りて


二人で墓石を探した。


Photo2935






Photo2937






Photo2936





うちのは見つからなかったけれど

こうして見つかっている方々もいて。

貼り紙に、『撤去しないでください!』という旨のことと

電話番号と名前が書いてあるのだ。



先ずは生きている人が先。復興が先。衣食住が先。


そんなことはわかりきっている。


でも、頭の片隅には 


こうして 弔われた方々のことも、置いておいてもらえたら有難いと思った。




いずれ、誰でも 入るであろう 場所なのだから。



末永茉己

この記事へのコメント

4. Posted by のん   2011年07月02日 23:03
見つかったんだ…

良かった(;_;)

うちのお墓も凛のとこほどじゃないけど、無事ではなかった。

でもちゃんと居るべき場所に居てくれて。

凛のとこも見つかって本当に良かった!
3. Posted by 西湖   2011年07月02日 00:00
お墓みつかってよかったね。読んでてウルっときちゃいました(涙)
2. Posted by みお   2011年07月01日 11:23
なんの根拠もないけど、凛ちゃんは、『絶対ご先祖様に再会出来る』と感じてました。
今さら、後出しじゃんけんみたいだけど、あの日、東京に戻った事が『ご家族再会の担い手になる』ツラいけど重要な、ご先祖様からのお使いだったのかな?と感じました。
会えて良かったですね(^-^)
1. Posted by 鶴と龍   2011年07月01日 07:07
瓦礫は想像以上に、悲惨な状況になってますね。
でも、お墓が奇跡的に見つかって良かったです。
凛ちゃんが行った甲斐があったと思いますよ。
Profile

【凛】(Rin)

http://www.project-rin.com/

ソロシンガー「凛」/
凛+原田謙太のユニット
「ダ・ヴィンチ:ポワロ」
として活動中。

・2007年9月12日、
インディーズデビュー。
2011年11月23日、
Lantisよりメジャーデビュー。

・音楽プロデューサーの
島崎貴光プロデュース。
(SMAP/A.B.C-Z/AKB48/SKE48など)

・KOEI PS3『BLADESTORM-
百年戦争-』TVCMソング
「凛として...」。

・アニメ『クロスファイト ビーダマン』
オープニング主題歌「TRUTH」

・アニメ『クロスファイト ビーダマン』
エンディング主題歌
「片翼-ツバサ-の行方」

・アニメ『カードファイト!!
ヴァンガード 
アジアサーキット編』の
第一期ED主題歌
「情熱イズム」

・『CR戦国無双』主題歌
「孤高の証」

・『パチスロ三國志』
実機内楽曲「紅の華」

・『CR無双OROCHI』
実機内楽曲「花道乱舞」

・スマホゲーム
『車なごコレクション』
主題歌「Xana-シャナ-」

・スマホゲーム
『車なごコレクション』
の「マツダ ロードスター」
「トヨタ プリウスα」声優担当。

・凛活動10周年記念
フルアルバム
『凛イズム』(16曲入り)リリース。

・8th Digital Single「Judgement」
2019.12.24 Release。

・木根尚登氏(TM NETWORKの)の
Liveに出演・共演。

★凛の地元仙台・福島・山形
にて、レギュラーラジオ
「凛の『聴いてくれて
ありがとう』ラジオ」を、
2010年から担当し、
2021年10月から
11年目に突入。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

【ダ・ヴィンチ:ポワロ】

凛+原田謙太のユニット
「ダ・ヴィンチ:ポワロ」として、
アニメ『トミカ絆合体アースグランナー』
のエンディング主題歌
「僕らがヒーロー」を歌唱。

※2020〜2021年まで1年間放送、
2021年10月2日より、
テレビ大阪にて再放送決定)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

【末永茉己】(Mami Suenaga)

多くのアーティストの
仮歌・コーラス・作詞を担当。

・2021年10月2日〜
アニメ
「MUTEKING THE
Dancing HERO」
の劇伴・BGMのコーラスを、
多数担当。

・日本テレビ系
「ニノさん」
(嵐の二宮和也さん番組)
スタジオゲスト出演

・テレビ朝日系
「誰にも表彰されない
ギョーカイ神記録」
(羽鳥慎一さん、
佐藤栞里さん、
博多華丸・大吉さん、
羽田圭介さん出演番組)
にて、
日本で初めて
「仮歌シンガー」
として密着・出演。

★「仮歌シンガー」として、
多くの現場の本チャン仮歌、
コーラス、作詞、
作曲家、作曲家志望者の
仮歌も担当。

http://www.project-rin.com/contact/kariuta/

・現在「末永茉己」名義・他名義にて、
作詞家としても活動中。

・「遙かなる時空の中で」
シリーズ作品・声優さんの作詞や、
「金色のコルダ」シリーズ
作品のコーラスなども行う。

★Copyright
2006-2021 project-rin.
ALL RIGHTS RESERVED.

blog掲載の記事・写真・
イラスト等の
全てのコンテンツの
無断複写・転載を
禁じます。

http://www.project-rin.com/

Archives